なめしの種類
なめしには多くの種類があり、どんな薬剤を使って加工するかによって革の特徴が変わっていきます。
ここではいくつかの流通している主ななめし方法をご紹介します。
タンニンなめし(ヌメ革)
赤ワインやお茶の渋みの成分である「タンニン」を使った植物由来のなめし方法で、最も古い方法と言われております。また、タンニンなめし加工がされた革を「ヌメ革」といいます。
なめし加工に数か月も要することもあり、手間と時間、場所を要する代わりに、負担をかけず皮にタンニンの成分をじっくりと染み込ませることができます。その結果、丈夫で切れにくく、経年変化とともに柔らかさが増し、風合いが変化していくのが特徴です。使い込めば使い込むほどエイジング(経年変化)を楽しめ、2つとない革の表情を楽しむことができます。
クロムなめし(クロム革)
植物由来のタンニンなめしとは異なり、クロムなめしでは化学薬品である「塩基性硫酸クロム」を薬剤として使った方法を施しています。クロムなめし加工がされた革は「クロム革」と言われています。
タンニンなめしと比べて加工時間が短く、大量生産・低コストを実現しました。世界の革製品の8割はクロム革と言われています。特徴として、薄くて軽く柔軟性があります。また、傷や水への耐久性も強く、染色もしやすいのが特徴で、様々なカラーバリエーションを楽しむことができます。定期的なメンテナンスも必要がないことも多く使われている理由の一つです。車やソファーに使用されています。
コンビネーションなめし
タンニンとクロムの両方の製法を施したハイブリッドのなめし加工を「コンビネーションなめし」または「混合なめし」と言われております。クロムなめしを行った後に、タンニンなめしを行っており、クロムなめしの耐久性や柔らかさとタンニンなめしのエイジングを楽しむことができます。野球のグローブに使われています。