革の加工の種類


仕上げ工程中や仕上げ工程後にも加工を行うことで、革の様々な表情を作り出すことができます。ここではメジャーな革の素材をご紹介いたします。


ヌメ革

以前は、タンニンなめしの革をほとんど加工せずに仕上げた革のことをヌメ革と呼んでいたが、今はタンニンなめしを行った革の総称でヌメ革と呼ぶことが多く、特徴はその丈夫さです。初めは硬く、ごわついていますが、使い続けることで持ち主の形にあっていく特徴があります。


銀付き革

分厚い皮の場合、2,3枚にスライスされることがありますが、一番外側の皮だけを使ったものを銀付き革と言います。革本来のキメの細かさを銀面表面にそのまま生かしている革のことです。


ガラス張り革

樹脂による表面コーティングを施し、革をよく伸ばした状態で乾燥させる仕上げられた革です。革本来の風合いは劣りますが、他よりも防水性が高く、硬くて艶があるのが特徴です。


エナメル革

革の表面にエナメルの塗装を施し、独特の光沢感を出した革のことです。


もみ革

揉みこむことで革にシワ(シボ)を付け加えた革です。揉みこんでいることで柔らかさもあります。


シュリンク革

革のシワ(シボ)を強調した革です。もみ革より柔らかく、シワも強いため、傷も目立たないのが特徴です。


オイルレザー革

 革にたっぷりと油を染み込ませた革です。初めから艶があり、手触りもしっとりしいるのが特徴です。使い込むほど色が濃くなり、エイジングを楽しみたい方におすすめです。


ブライドルレザー

蝋を染み込ませることで引き締まり、硬さと防水性、美しい光沢を出した革です。蝋が白い粉として浮き出てくることがありますが、こまめにふき取ることで深い風合いを感じ取ることができます。


床革

分厚い皮を2枚以上にスライスして得られたもののうち、銀面をもっていない部分の革のことです。また、ベロアの様に起毛させたものを床ベロアと言います。


起毛革

革の表側、または裏側をサンドペーパーで磨くことで起毛させている革です。起毛革にはいくつかの種類があります。

スエード

革の裏面をサンドペーパーで短く起毛させた革のことです。毛は短く、柔らかな質感があります。スエードをより細かく繊細に仕上げ、加工した革のことをシルキースエードと言い、高級品と扱われています。


ベロア

スエードと同じく裏面を起毛させたものです。スエードのほうが緻密ですが、ベロアの方がより毛足が長いのが特徴です。


ヌバック

スエード・ベロアとは異なり、革の表面を磨いて起毛させた革のことです。しっとりとした、ややマットな質感を味わうことができます。


バックスキン

鹿の革の表面を起毛させた革のことです。名前で間違いやすいですが、バックは裏という意味で使われておらず、雄鹿を表しています。とても柔軟性のある革です。